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本、映画をつづる日記
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監督:デヴィットフィンチャー(ソーシャルネットワーク、セブン)
夫:ベンアフレック(グッドウィルハンティング、アルゴ)
これは確かにスリラー映画‥!
プライドの高い妻による執着的で緻密な計画的暴走。
妻の知的さ、異常さが際立ちすぎているからこそ恐怖が前面に出てきてはいるけど、結婚の一面をダークに表現していてはっとさせられる。
前半は妻による工作だが、実にリアルかつ女性の同情心をくすぐる‥
「女性は怖い」という感想を聞いていたので途中でトリックに気付いたのがとても残念なところ。
中盤のどデカイどんでん返しを乗り越え、視点は妻へ‥
こちらはこちらでスリルある展開。
が、度胸と回りすぎる頭で殺害を犯して見事に脱出。
殺人者に引き立てた夫の元へ難なく戻りラブラブっぷりをアピールするその変わり身。
妻にはひたすら感嘆するばかり‥
ただしその行動の動機は浮気だったということ。
子供の存在によって、愛情が失われても縛り付けられること。
現実的な結婚の特徴を表しており、観ている既婚男性はその見返りの大きさと束縛に恐怖を感じ、既婚女性は浮気の報復にスカッとする。
「それが結婚よ」という言葉には思わず鳥肌が立ってしまった。
結局前半の夫の行動が本当だったかどうか分からなかったのも、ミステリー!
2時間半という長さでしたが、時間を全く感じさせないドキドキ映画でしたー
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バケモノの子 ウサギのそうし:津川雅彦

よかった‥!サマーウォーズで期待が下がってた細田守作品だけど、一気に株上がった。
親子愛というテーマ自体がもう危ないなとは思ってたけど。
二人の関係の構築過程がとても丁寧に描かれていて、じっくり入り込めた。
キャラクターの性格も実に作り込まれていて、一貫してたと思う。
九太の言い返せる強さと反抗心、生意気さが普通の少年らしくて見てて居心地いいというか、自然。
二人の関係もそうだけど、彼の感情は本当に精密に描いていたと感心している。
男としてのプライドを傷つけられ、どうにかしたいとあがく向上心。
勘が悪いと連呼され、地味に気にしている繊細さ。
くすぐられるなぁ。
真似をして強くなろうとするシーンはもうジワっときた。
子供の透明的な特徴が現れていて、純粋さに打たれた。
それを見て嬉しがる熊鉄が更にダメ押し。
共に補い合って育っていったところが親子愛というよりは家族愛。でもそれもいい。
人間界行ってからは前半に比べてテンポ早いなぁとは感じたけど、楓との関係•勉強への好奇心だけに焦点絞っていたので不足はなく、バランスも良い。
レビュー見たら後半は酷評が多かったけど、そんなに感じなかったなぁ。
楓という存在を九太にとっての人間界への気持ちの強さを高める存在としか意識してなかったので、細かいところは気にならなかったのかなぁ。
一郎太の心の闇どーたらこーたらの突然感はあったけど。
まぁ熊鉄が刺されたところは、これは予想出来なかったという意表をつかれた喜びがあったのでまー良いのではないかと。
一郎太を鯨にしたのはやりすぎだったかな‥!
鯨要素はもう少し少なめでよかった。
色々考えながら見てたけど、考えないでも楽しめる作品でした。
監督:ラースフォントリアー(奇跡の海)
セルマ:ビョーク(歌手)

デンマーク映画。
カンヌ国際映画祭のパルムドール賞。
OPが最後まで見た今となってもよく分からない、鬱々とした優しくない色合いの映像。
目が確実に悪くなっていて、機械の仕事をしていて、もうそれ手とか失うフラグじゃないですか‥
怖い怖いっ怖いて思ってたら本当に突然周りの人達を巻き込んだミュージカルが始まって。
「ミュージカルは唐突に始まるから嫌だ」って会話の後に。
ここでの雰囲気の急転換に引き込まれたものの、それは妄想で案の定手を怪我し、機械は故障、全員帰宅‥
その後も度々ミュージカルは挿入されるものの、比例して現実はどんどん残酷に。
目の失明はどんどん近づき、目標はますます遠ざかる。
彼女の優しさも努力も人の欲で覆いかぶされ、そこから一気に急降下。
ビル役の金を奪おうと考えている時の目線、表情の気持ち悪さは良い配役、演技だったなと思ってる。
最高に醜悪で不快だった。
息子のためにしてきた診察の偽証も、ビル一家のための沈黙も、趣味もこれまた息子のためのお金の嘘も、裁判では全て悪い方向へ向かう。
この時の視聴者のフラストレーションは相当なものだろう。
なぜ真実を言わない。
なぜそこまでやられても加害者を守ろうとする。
彼女の愚直さは大変腹立たしい。
息子の気持ちになって息子を大切にするなら、自分の無実がもっとも重要でしょう。
「殺人犯の息子」なんて肩書きが息子のためになると思ってるのか。
セルマはひたすら息子の目を治したかった。
遺伝すると分かっていながら、産んだ罪悪感だろうか。
自分が最も辛かった事だから、息子には背負わせたくなかった、その気持ちが強すぎたということだろうか。
この件に関しても、セルマは盲目的である。
恋人も作らず、目も見えなくなってるのに仕事も増やし、事件が起こった後は一切自分を守ろうとしない。
ただミュージカルだけが彼女にとっての娯楽。
その娯楽は最後の107歩まで続く。
それでも、ミュージカルをもってしても命を失う事の恐怖は消せなかった。
断頭台でのセルマの取り乱しで号泣した。
あんなに激しい泣き方をしたのは映画じゃ初めて。
ビョークの演技力に引っ張られた。
共感してしまった。
そこへ息子の手術が成功したと報告が入り、彼女の叫びはピタッと止まる。
そして歌い出す。
ミュージカルより命を失う恐怖が大きくて、その恐怖に長年願い続けた息子の完治が勝ったという、彼女の価値観の優先順位がハッキリと現れていたシーンだった。
撮影方法も独特で、カメラが近く、あえてアマチュアが撮ったような技法を用いている。
視界の狭い撮り方は見ている者を不安にさせる。
そして時折絵画的なカットも見られた。
本当に暗いし落ち込むので二度は見たくないけど、エログロ要素を使わずに衝撃的な映画を与え、見たものに忘れられない巨大な印象を残す、映画としては大成した作品かと思う。
1988.イタリア映画
監督:ジュゼッペ•トルナトーレ(海の上のピアニスト)

3時間!
でも集中力の無い私でも途中から熱中して時を忘れてしまった。
1人の男が友と映画と共に過ごした一生。
映画で多くの人々が感情を共有し、感情を露わにし、没頭する。
そんな様が見ていて微笑ましい。
そんな映画が二人の始まり。 くすねた金で映画を観てしまうほどに、神父の手伝いをしてまでも映画を観てしまうほどに映画に熱中していた少年。
孤独を感じながら、暑さ寒さ苦しみを感じながら映画を作り上げ続けたアルフレード。
老人は人々の欲求に応えて野外映画を提供した。
そして映画に裏切られ、火傷によって盲目になる。
命を救ったトト。
少年は青年になり、恋をした。
映画よりも大切だった。
アルフレードに協力してもらって告白するも、フラれる。
そこで老人は宗教への懐疑を打ち明ける、作戦か本音かは分からない。
アルフレードは問題を出す。答えは想像する幸せを選び、自ら現実を未確定にするために動くこと。
彼は恋人二人のやりとりを阻害し、あえてその選択をトトに強制した。
恋人二人は両想いだった。
しかしアルフレードはノスタルジーを忘れさせ、絶対に戻るなと忠告する。
盲目であること、狭い世界で生きることを止め、心から自分が好きなものを愛せと伝える。
最初の映写室のように。
結果は映画で成功した。
でもずっと愛を見付けられなかった。
真実を知っても納得出来なかった。
老人の形見を見る。
それは神父に言われてカットしていた愛のシーンを繋げたものだった。

そういえばトトは以前自分で映像を撮っていた。
それは死と生と自らの恋心を写したものだった。
これは彼の欲求の芽生えだったのだろうか。
心が愛で満たされてはその欲求に自分でも気付かなかったし、そこまで没頭も出来なかっただろう。
アルフレードの阻害の意図とは?
映写室の作業を引き継いだ時、お前はこの仕事をやるには勿体無いと言っていた。
だからトトも学校を続けた。
自らの悔いをアドバイスとして伝えた。
アルフレードは「優しかった」。
最後のシーンは「愛のシーン」。
老人は自分の心残りを青年に託したのか?
愛は終わると知っていた。
老人は字が読めない。
映画への愛に尽くしても裏切られることを知っている。
裏切られない愛を教えたのでは?
それが夢を自ら作る能力。
かなぁ。難しい。
監督•脚本 クリストファー•ノーラン
アーサー ジョゼフ•ゴードン=レヴィット
アリアドネ エレン•ペイジ(JUNO)
モル マリオン•コティヤール(エディットピアフ)

観客を惹きつける良い始まりだった。
ラストに繋がるサイトーとコブの出会いからスタートし、同じ舞台で若いサイトーとコブのやり取りに戻す。
モルも出場させ、この場で謎を一気に提示。
一つ上の層に戻り、この段階ではまだよく分からない会話を繰り広げ、ここもまた夢だったという引っ掛け。
そしてミッションを課せられ、仲間を集めながら設定•世界観の説明。
SFアクションというジャンルもあるのか、流れがRPGっぽいなという印象。
詩的な表現もどことなく中2心をそそる。
そしてなにより設定が素晴らしく、夢という題材を非常に巧みに扱った作品だなと。
最後サイトーを助けることで、トラウマを払拭する流れも大好きだ。
ただモルが虚無にハマってしまった感覚が理解できなかった。
天地創造し放題、という仕組みは確かに魅力的だし、現実より居心地がいいだろう。
でも二人で夢の中でいる時は「孤独」を想起させる映像で、二人しかでてこない。
夫婦としてきちんと成立し、なんら障害のない二人が二人だけでいて楽しいのだろうか?と疑問はずっと感じた。


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