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本、映画をつづる日記
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音楽:ヤン・ティルセン(アメリ)
ドイツ東西統一時、東ドイツ側に在住していた1つの家族のストーリー。
コメディ色を込めつつも、ベースはシリアス。
音楽に「アメリ」のティルセンを採用しただけあってなのか、 母親のために優しい嘘をつく主人公の話

手の込んだ大掛かりで滑稽なその嘘はなんだか物悲しい気持ちにさせられる。
このフットワークの軽さは自分が反体制に参加していたのを見られた結果の心臓発作だったことへの罪悪感もあったのかもしれない。
周囲が資本主義に染まっていき西ドイツのもので溢れていく歴史上の大きな流れの中で、
東ドイツ時代のものを集める逆走っぷりがコミカルに表現されていたことで彼の馬鹿げた嘘を自然に受け入れられた。
歴史自体はノンフィクションなのに、コメディにするとは大胆。
社会主義と資本主義の争い・終戦の過程で時代の変遷の代償を受けた者達が今回の家族である。

息子の努力を受容しやすかっただけに、母の社会主義傾倒自体が家族を守るための嘘だったという根底を覆す事実が 待っているのは切ない。
夫婦の絆は政府に負けてしまったけれど、 東ドイツ時代ののアニメが父と子を繋いでいる。
東ドイツの記憶が母と子を繋いでいる。
この映画は、東ドイツの犠牲を描くと共に東ドイツの哀悼作でもある。
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監督:ロブ・ライナー(ミザリー)
原作:スティーヴン・キング「The body」
主題歌:ベン・E・キング「スタンドバイミー」
ゴーディー:ウィル・ウィトン(新スタートレック)
クリス:リヴァー・フェニックス(マイプライベートアイダホ)
テディ:コリー・フェルドマン(グーニーズ)
大人ゴードン:リチャード・ドレイファス(未知との遭遇)
エース:キーファー・サザーランド(24)

魅力的なキャラクターが織り成す、少年逹の小さな旅の物語。
子供らしい無謀さ、それを諌める大人びた登場人物もいて、臆病さもあって、でもなんだかんだ皆ではしゃいで助けあって仲が良い。
それぞれの個性もはっきり描かれていて、それでいて好感度の持てる四人組。
育ち、性格が違っていても一緒にいて楽しくやっていられたのは、確かにこの時代だけかもしれない。
親や家族の存在に縛られている様も実に子供時代をリアルに表している。
狭い世界からの小さな脱却。
予想していたよりはラストも含めてシリアスさがあったけど、子供時代を懐かしむには丁度良いバランスの明るさだった気がする。
もう少し暗めだったらここまで評価されなかっただろう。
劇中歌も良い選曲だったし、雰囲気を盛り上げていた。

冒険をして、心を許せ助け合える友と悩みを吐露しあって、自分にとっての壁を一つ越える。
成長には別れも付き物で、そういった瞬間は一生の中で刹那的で。
だからこそなお輝かしいものなのではないかと。

かつては友と越えた壁が、時を変えれば敗北に変わって死に至る。
あの時の自分達は無敵だと思えたことも、現実に塗り替えられる。
理想とリアルのズレを身をもって知ることは、成長ゆえの副産物だ。
明るくて楽しくて子供時代を思い出す。
同時に対比して大人というものを知る。
そんな映画。
監督:中村義洋(アヒルと鴨のコインロッカー)
脚本:林民夫(永遠の0)
犯人:蓮佛美沙子
篠山:金子ノブアキ
映画の敗因として、
配役のせいで菜々緒の性格が読めてしまうのと、 Twitterの声当ての演技が微妙だったこと…。
犯人は意外性がありましたが。

井上真央は良い演技するようになりましたね!
こんな存在感を消した役も出来るのかと。
綾野剛も受賞してましたが、特に印象深いシーンは私にはありませんでした。

ネット社会を素材として扱った湊かなえ作品は本作で(私が知る限り)2作目ですが、高校入試よりリアルな動きかたでした。
Twitterよりは反応が2chに近いなと感じましたが。
まず印象からの人物像、そして社員の尾ひれのついた独断的観測を元に、ヒートアップする無関係の人間の推測、事実とはどんどん解離し親ですらその波にさらわれる。
綾野剛は最も客観的な立場であり、数多くの井上の周りの人間から事情を聴取したにも関わらず、本来の当事者の人間性から印象を遠ざけたブーストとして機能したことから、野次馬の客観性は当てにならないということを意味しています。
ラストに綾野剛が痛い目を見るところで、「無関係」との紹介があったのは制作者からの痛烈な皮肉でしょう。
風刺的作品として自らを省みるきっかけとなる映画です。
プレステージ
監督:クリストファー・ノーラン
アンジャー:ヒュージャックマン(レミゼラブル)
ボーデン:クリスチャンベール
カッター:マイケル・ケイン(リタと大学教授)
オリヴィア:スカーレット・ヨハンソン(アベンジャーズ)
テスラ:デヴィット・ボウイ

制作費:4000万ドル
興行収入:1憶

マジックショー中、マジシャンが錠付きの水槽に落とされ溺れ死ぬところを目撃してしまうボーデン。
そんな二人のマジシャンの競い合い・争いを巡るサスペンス映画。
原作はクリストファープリーストの「奇術師」。
SF要素も混じってくるので批判も大分あったらしいが…
私もそういうの苦手だけど、今回は気にならず。
機械を使うことに関しては序盤で出てきてるし、公平さは保たれていた。
それより鳥を使ったマジックのトリックの方がキツかった。
そしてそこに伏線をしこんだノーランのやらしさよ。

時間軸をバラバラにしたお得意の見せ方で、徐々に観客の理解を促すものの、序盤にもきっちり仕掛けを施している。
相変わらずの伏線の多さはストーリーを見た後、全てが繋がるカタルシスを観客に促す。
感情が追い付かないほどの設定・構成の難関さ も心地いい。
演出に長けていて、自分は生き残る鳥になりたがったのに、憎しみに拘ったゆえに死に続ける道を選んでしまったアンジャー。
トリックの発想は素晴らしかったのに、ライバルを追い続けてしまったばかりに処刑されてしまうボーデン。
憎しみの連鎖で身を滅ぼしあった二人でした。
構成が素晴らしく、トリックに驚かせられる映画。全体的に暗い。
バットマンビギンズ
監督:クリストファー・ノーラン
主演:クリスチャン・ベール(リベリオン)
レイチェル:ケイティ・ホームズ(トムクルーズの妻)
アルフレッド:マイケル・ケイン(インセプション)
ゴードン:ゲイリー・オールドマン(ハリーポッター…シリウスブラック)
スケアクロウ:キリアン・マーフィー(インセプション)
フォックス:モーガン・フリーマン
ラーズアルグール:リーアム・ニーソン

制作費:1憶5000万ドル
興行収入:(米)2憶500万 (日)14憶

改めて調べてみたらキャストがめちゃめちゃ豪華…
キリアンマーフィーは顔立ち的にイカれた役似合うわぁ。

前半はヒーロー要素もバットマンらしさもなく、自らの過去に向き合い、トラウマを克服する己との戦い。
ブルースウェインがバットマンになるまでを丁寧に描き、思想的な面も深く掘り下げる。
渡辺謙の登場に驚いたのも束の間、予想もしていなかった忍者による夢の中のような演出。
ノーランらしい!だけど異色な組み合わせ。
そして渡辺謙、死す…退場早すぎる…。

復讐から街を守る思想に変わった流れは実に自然!
人間心理に関してはさすが言うところなしのノーラン。
成り立ちで驚いたのは、柔術を習わされたこと、コスチューム自家製、武器自家製。
選ばれし勇者のような運命的シーンもなく、自らの意思で自前でヒーローになっていく。
今回描こうとしていたリアルさは見事現代風リメイクとして馴染んでいた。
ヒロインのために警察を敵に回して車で暴れまくり、パトカーも破壊し放題!なシーンがあったが、あれのすぐ後にラーズアルグールを出場させて町の破壊を語らせる皮肉さが好きだ。
ヒーローもヴィランズも思想の面では紙一重。

ダークナイトのための前編として見たけど、ノーランらしい演出・ストーリー、ノーランらしくない明るさ、豪華なキャスト。
じっくり楽しめました。


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