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本、映画をつづる日記
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監督:ロベルト・ベニーニ(伊)
キャスト:ニコレッタ・ブラスキ
受賞:カンヌ審査員グランプリ/アカデミー主演男優/外国映画/作曲賞
公開:1997年、イタリア
製作費:2000万ドル
興行収入:2億2000万ドル

前半1時間はグエドがドーラに一目ぼれをし、はちゃめちゃで猛烈なアタックをして結ばれるまでを描く。
この前半での主人公が完全にキチガイで、監査官がドーラの働く学校に視察に行くと知れば監査官のフリをして忍び込み。
あるミュージカルに行くと知れば、自分もチケットを取り、ドーラに振り向けと念を送り続け。
ドーラの彼氏が車で迎えに来ると知れば、先回りして自分が車で迎えに行き、乗せてしまう。
顔もイケメンとは言い難く、髪はくるくるで、口から出てくるのはその場しのぎの出まかせばかり。
狂気的な愛と度胸と機転、口のうまさを見せられこいつは大丈夫なのかと不安に思われたが、無事ドーラと結ばれて、子供も授かる。
後半は一転し、幸せに暮らしていた家族が、突然ホロコーストに連れていかれる。
前半でもユダヤ人差別思想の片鱗は垣間見えてはいたが、ホロコーストという題材を取り扱っていながらユダヤ迫害のシーンは上映中本当に半分だけ。
これだけでも異色の作品と言える気がするが、時間の短さのおかげで、二度は見たくない…という感情は持たせない。
この歴史の暗黒史を、多くの人が暗く重く悲しい事実とし表現してきた。
この作品は、それを明るくユニークに描きながらも、逆説的に事実の残酷さを浮き上がらせているロベルトの枠に囚われない発想力に感嘆すると同時に、表現というものについて考えさせられる。
事実をありのままに表すのは誰にでも出来るのであって。
製作者のフィルターを働かせながらも、事実の大事なところを伝えることが「作品」の表現力で、フィルター自体が表現力の高さなのだと。

そして、多くの人が感動したであろう父ロベルトの息子への愛。
通訳のシーンでは泣きながら笑ってしまった。
息子の心を守る為、前半で見せた度胸、口のうまさ、機転を使い息子に脚色した現実を見せ続ける。
強制労働中は愚痴をこぼしまくり、死にそうだーと喚いていても、息子の前に戻ればそのような様子は一切見せない。
妻への心がけも忘れず、初めて出会った時の呼び名で、その時の陽気さで声を届ける。
彼の精神力の高さに、家族の柱としての姿を見せつけられた。
ドーラは驚きや幸せを見せ続けてくれるグエンの陽気さに魅かれたのか、とここで納得。
守るべきものの前では強くあり続けること、子供に人生を悲観させないこと、家族と共にあり続けること。 この作品は家族を担うものとしての責任を教えてくれた。
子供を育てる親に、人生に悲観的になっている人にぜひ見てほしい。☆4.9
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