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本、映画をつづる日記
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裏表紙紹介文に煽られて買った本。
『最後2行で物語がひっくり返る!』に期待しすぎちゃったかな。
疑って掛かればわかりやすい矛盾が多いのでネタが分かってしまう。
ので、最後が生きなかった。
さすがに一年で性格が変わりすぎだもの。
いくらマユにアドバイスされて、色々素直に聞いてしまう性格とはいえ、
他人からの評価も思考の傾向もここまで変わるっていうのはさすがにないと思う。
別人っていうのはsideBの最初の方で分かってしまったけど、時系列に関する伏線が緻密だったのには後で感動した。
男女七人物語やJRなどの時事的単語が時系列の矛盾を示していたり、逆にマユが失敗をしないようにあえてタッくんに状況などを似せることでミスリードを誘っていたり。
ただこれは失敗どうのこうのだけではなく、単純に寂しいから第二のタッくんを作ったという心情なんじゃないかと思ってた。
辰也が感じた恐怖を引き出すような狂気的行動というか。
処女のふりをするという演技もただの浮気ならする必要は特にないと思うし…
要はやり直したかっただけなのかなと。
たっくんと。

そのからくり以外はわりとチープな恋愛というか普通の恋愛だったので、そこがあんまり熱中出来なかった原因なのかなと思ったり。
男性作家ぎ男性視点で描かれているとこは異性として参考になったけど…
夜の営みシーンとか切なくなった(;ω;)笑
痛がってるけど大丈夫だろ…とか始めての相手にそんなんばっか。
そんなわけないだろ!怒
過ぎた恋愛を『通過儀礼』と考える価値観はちょっと印象に残った。
気持ちを貫くことだけが正しいわけじゃなく、過ぎてみて分かる通過儀礼のような出会いもあるんじゃないかと。
絶対と盲目的にならず、きちんと関係を考えてみるべきなんじゃないかと。
まぁもうただの別れの後押しにしか聞こえないけど笑
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第八回このミステリーがすごい大賞!
良い話だったー!
絶望から這い上がり、立ち向かって行く話だった
そして信用できない語り手。
二人の遺体が判別できないくらい燃え尽きた、主人公の顔もボロボロに燃えてしまい顔を作り変えた、という出来すぎたシチュエーションと、火事以降従兄弟の話が全く出てこないから入れ替わり説は頭にすぐ浮かんだんだけど、
一人称に騙されてしまった。あとピアノの技術
最初は一人称が『あたし』っていうのと、年頃の女の子らしい語り口調が合わないと感じていたけど、すぐに慣れたし。
ピアノの技術も指が上手く動かない&岬の力で上手く隠したのか。
そういえば努力家だったのもルシアの方だったなぁ
『以前よりも情緒豊か』というのも二人の違いかもしれない。
そして芸術を扱う作品だからか、曲や音の表現がとても綺麗!
これ読むとピアノがやりたくなってくる笑
それと同時に非常に熱い。
絶望や壁をやたら高く設定してあるせいかそれに立ち向かおう、乗り越えようとするとすごい情熱が伴う。
ミステリー気分で挑んだけど、明らかに音楽家の情熱要素の方が濃かった。笑
そして引き込まれた。
ルシアが振りを続けなければならなかった理由•母を殺してしまった原因も、周りの人のため、そして不可抗力という綺麗な理由だった事も良かった。
悪意や辛い環境にさらされながらも心はピアノに全て注ぎ、憎しみという感情には囚われていなかった強さに心打たれたというか。
むしろピアノという存在が彼女を救ったの かもしれないけど。
というか悪意のもとの策略ばかり想像していた自分が恥ずかしかった笑
衝撃的な家族の話。
遠藤家に感情移入してしまうと心が痛くなる…
引っ越して子供は受験に失敗して荒れて癇癪を起こして、
母は耐えるという選択肢しか実行できなくて
父は心情を分かってるのに逃げることしか出来なくて。
皆自分じゃ受け止めきれなくて誰かのせいにしてなんとかやっている。
その中でも彩香の存在が一番辛かった。
元々頭はそんなに良くなくて、それでも母親は受験に受かると思ってた。
憧れの高級住宅、憧れの新築戸建、娘も近い処に学校があって私立で可愛い制服を着て通ってくれればもっと幸せになれる。
新築ハイなのか周りが見えてないだけなのか。
そんな母親にいらつく気持ちは分かる。
現実も自分のことも見えてない分かってない母親に、何かある度に苛立ち怒りをぶつける。
そういう世間の子供の気持ちを顕著に表したのが彩香という存在なんだと思う。
客観的な視点から見ることで、もしこれが自分の子供で起きてしまったら…?と考える余地が出来て、答えが出なくてゾッとした。
そして自分も充分こうゆう風になってしまう可能性を孕んでることを分かっていて、どちらの立場からも身近に感じてしまった。
この人の親子の話はとても身近で考えさせられる。
3冊湊かなえ著を読んだことで感じたのは、この人は一人の人間の多面性を重視 しているということ。
ある一人の悪い面を描いた後で、別の人間から見えている良い面を表す。
高橋家全体がまさにそれで。
外と内。兄と弟•妹。父と母。
全員が全員に対する印象が異なる。
家族の中でもその人にしか見せない顔がある。
そして今回伝えたかったことは、
匿名性の攻撃性の増加の危険さや、現代の無関心さによってより狭くなっていく家族の問題は他者が介入すれば緩和させることもできるということ。
それでも全てをあけっぴろげにする必要はなくて、家族の問題は家族の問題として捉え、興味を持って近づく輩には適当な嘘を与えて満足させ、危険な域に入ったら介入してもらう。
要はもう少し好奇心とは異なる関心を持てということ。
先が気になってどんどん読め進めていってしまう話でした。
これだけメインがチートだと私なら腹が立ってしまいそうなものなんだけど、
圭介玲花雄一郎三人組(と一位の子)を高校生らしからぬ頭の良さ、勘のするどさを持たせた事で面白くなった!

それでもやっぱり他社の視点に変わってしまうと、蓮見が何考えてるのかわからなくてこわい…
普通に信じてしまっている生徒にやきもきもするし、
その信頼を簡単にちぎってしまう担任にもぞっとするし。
器用すぎて出来る事が多すぎて何が出てくるかわからなくて怖いし。
ラストの惨劇はそれがもう顕著。
罠にも計画にもそつがなさすぎる。

それでも玲花と雄一郎が助かったのは「誰かを守ろう、助けようという気持ちが大事なのだ」というメッセージなんでしょう。
唯一の物的証拠となったAEDも。
生き残るには知略だけでなく、助けようとよう気持ちがあって成せることなのだと。
つまり蓮見は本当に「怪物」として描かれてたんだな。
二度目~
以前AMAZONで「何を伝えたいかが分からない」
とかやたら書かれてた気がするんだけど
全員が全員自分本位な理由で行動を起こしているから、そう書かれてたんだろうなあ
ある一人の視点から見ると良く映ってた行動も本人視点からするとただ自分のためにやったこと
そういうシーンが圧倒的に多かったから、確かに人を信じられなくなる小説だとは思うw
でもそれは「一方からだけ見た事実は真実ではない」ということを示しているんじゃないかと感じるんだよね
全体を通しては、「自分の考えない行動が他者を巻き込み、破滅へと導くこともある。それは自分に帰ってくる
こともある」そういう教訓を教えているのかなあとか思った。
始まりは親の愛を渇望する行動だったわけで。
でもその手段として選んだのは子供を殺すことだった。
その子供には母親がいて、その子を大切に思う子は必ずいるわけで。
そういう想像力を常に忘れるなっていうメッセージを、少なくとも自分は感じた。
頭が良いから予想出来る力はあっても、共感する力が異常に少なかったんだよねて、この少年は
ならば味わわせるしかない。
出来た大人という存在が主要人物では全くいなかったけど、
逆に人間的な話だったなと。
憎しみを際立たせるためにそういう存在は不要だったのかなーて。

一度目も想ったけど、やっぱりこの話は好きだなあ。暗いけども。
先が気になってどんどん読んでしまう、展開や設定に違和感を感じない
その時点でお話としては高得点だと思うんだよね
そして主人公が全部異なるんだけど、各々の価値観をしっかり書いている
それは読者に考えさせるテーマとなる。
私にとっては上二つと「考えさせられる本、映画」ってのが評価の基準になってるので
これがキメテになってるかな。
パンズラビリンスみたいに、結末は視聴者次第っていうのも好きだし
もう一度見て考えたい!って気持ちにさせられるものが良作
あと涙が出てきたり異様に共感してしまったり、そういうココロ動かされる話も、
なんか映画見たなー!って満腹感があるw

読者の属する場所毎にメッセージを送ってる気もする
子供に対しては、責任転嫁するな。大人に対しては影響力を考えろ。子供の気持ちをきちんと理解しろ
異なる主人公という設定を上手く活かしてる

誰が悪かったのか。それを考えると、出来の悪い母に育てられて
そのせいで苦労してきてると思ってる私は少年Aの両親だと思ってる
自分の幸せのために子供を捨てた両親に全く共感できないから
この母親の環境も書かれて、それがかわいそうなものだったらまた違ったと思うけどさ
倫理観を心に教える人間がいなかったのは大きいよね
求める愛情がそれに勝っただけかもしれないけど
私はどうしても犯人二人に同情、共感してしまう。
どちらかといえば環境が似ているBに
親の育て方はほんとに重要なんだと言う事。表面しか見ない親に育てられると
周りの目ばかり気にする子供になるんだということ
そういう面ばかり目についちゃう
物ごころついて、自分で考えられるようになってから何年も経つのに何甘えた事を
というのも分かってるんだけど
それでも消えない気持ちってあるよね

どこから人は自分に責任をとらなければいけないのか
結局は相手の考えによるんだと思うけど
中学生を責任をとるべき対象とみなした元教師は同じ事を仕返し(倍返し)をした
これを正しいと思う自分もいるし、同じ立場として養護したい気持ちもある
実際この話の中では少年Aはこの事に関して反省を全くしていない
どこかに「母親のせいだ。」という気持ちがあったんだと思う
痛い目にあわないと分からないというのも、理解できなくもない
でも母親に子供に対する愛情があって、今まで育ててくれていれば
少なくとも長期にわたって母親としての責任を果たしていれば
こんな事件は起きなかった。
どんな環境に育っても、どんな不遇を受けても、その結果何を起こしてしまっても
結局は諦めるしかないのかもね
他人を足場とせずに、自分の力だけで高みを目指す。
人の気持ちを考えられる想像力が付いた時点がスタートなんじゃないかと思う。
親も人間なんだということ。不完全なんだということ。
負の連鎖をどこで止められるか。
親なんか気にせず自分で頑張れとしかえいえない。
だからまあ先生の意見に近いんだと思う。

私も「子供はすぐに責任転嫁する」というところにぐさっときた。
そうだよねえ20歳過ぎた人間が何言ってるんだか。頑張ろう。


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