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本、映画をつづる日記
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多くの 伏線を見事に全て回収していった、本格ミステリー。
親友と恋人に裏切られる、というはらわた煮えくりかえるような設定で、唯一の肉親である兄が復讐のために推理を進めるストーリー。
その設定でもう先が気になって仕方がない!
勧善懲悪のような気持ちで、
被害者側にも変に感情移入してしまったため、二人が追い詰められる様はわりとスッとしてしまったし。
そして無実にも関わらず、あえて容疑者のような道を進んだ兄と刑事のやり取りも見もの。
対立する関係でありながらも真犯人を見つけ出す、という共通の目的を持っており
拮抗するほどの知性と度胸を備えているので、容疑者•刑事の駆け引きが成り立つ。
その位置をキープしつつもじわじわと信頼関係を築き、最終的にはその関係が兄を救ったと。
加賀の勝因は、ホワイダニットを重視する人間味溢れる男だったからではないかと思う。
そして、唯一第三者として冷静に外から見れる役割であるからこそ、主人公とは異なる視点を持つことが出来、不利な状況にありながらも真実を掴むことができた。
その人の性質、心情を常に念頭に置いているから、兄の行動の意図を正しく推理し、良好な関係性を築くことができた。

推理の過程がじっくり描かれているのは面白かったが、肝心の『読者が推理できる』という売りに関してはあまり期待出来るものではない。
ほとんどを登場人物がやってくれているうえに、推理の手引きでさらに大ヒントを得られるからである。
そこだけ残念。
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