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本、映画をつづる日記
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怖い小説だった。
内容というより状況が。
登場人物はたった二人。
しかも元恋人、という微妙な距離感。
その二人も強烈に個性が強いというわけではなく、話は少年の一人称で進んで行くわけで。
その二人で山奥の電気も備わってない不可解な家を探る。
読んでてマリアとかクロックタワーとか思い出してしまった。
なんていうか心細いんだよね、読んでて。
特にギャグがない微妙な関係の男女二人が見知らぬ家で見知らぬ家族の重い過去を探っているから。
でもこの心細さというか孤独感は、自分探しという目的においては正しい感覚だと思う。
基本は一人で行うものだもの。
同行していた彼もルーツを探す上で協力者にはなったけど、最終的にさやかの心は負担してくれていない。
二人は似ているけれど経験は違うから共有できない。
過去を知ったさやかは結局離婚して、子供を譲って一人で消えてしまう。
人は孤独なんだと徹底的に主張してるなー。
それは真実だと思うけれど。
それでもさやかの最後はいい形で終わったんじゃないかと思う。
久美だった自分を受け入れたから離婚して子供を手放した。
ルーツを知って今後も虐待は続けるだろうと悟ったから。
その上で倉橋さやかという名を名乗る。
自分の過去を全て受け入れた結果じゃなかろうか。
久美は死んでしまったということも含めて。

東原圭吾ってガリレオで敬遠していたけど、それ以外のものはあんまり特徴がないのかも?
読みやすいとも言えるけど。

あと過去推理するっていうのは楽しかった。
フェアに材料を置いてくれていた気がする。

レビューで言われていた「伏線がたくさんちりばめられていた」
っていうのがあんまりしっくり来なかったけど。
読みが足らないのか、私の中で伏線の範囲が狭いのか。
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