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本、映画をつづる日記
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構成が素晴らしかった。
父親の不倫→追い出し→母の崩壊という凄惨なスタートを切り、そこから14年間を密に描いた作品。 この最初のえぐさはとても湊かなえらしい。 しかしそこから恋愛の甘酸っぱさをふんだんに取り入れ、恋愛ミステリーとして書ききった新しさは大成功だったと思う。 しかも窪田正孝が演じることでベストマッチを果たし、大いに私をキュンキュンさせた。 杉下のトラウマや二つの事件、成瀬との思い出や野ばら荘3人の仲の良さや優しい音楽が良いギャップを生み出し、緊張感を保ちつつ安心を与えられつつ毎週楽しみなドラマになった。 長期間を描いた作品ならではの登場人物の成長には胸が熱くなったし、出来事出来事のスイッチをとてもうまく当てはめて関係性の変化を演出していたと思う。 そのスイッチの起動力ともなっている「罪の共有」「究極の愛」という希美の価値観は、この物語をより面白くさせたキーワード。 「その人に知られずに罪を共有する」それが「究極の愛」。 彼女はそれを、窪田正孝との出来事から築き上げた。 自分を犠牲にして、奨学金の権利を渡しもした。 そして年月が経ち、安藤に恋愛感情をアピールされながらも心揺れながらも、その究極の愛に縛られ引きずられた。 そんな窪田一筋を貫いた彼女が、最後の最後に小出恵介を犠牲にして、安藤を守る行為に出た。 「罪を共有する」事ではなかったけど、それは愛といえる行為ではないのだろうか… 安藤は徹底的に綺麗なものとして扱われていて、N作戦1しかり2しかり希美の「汚い行動」によって守られている。 そして最後まで彼は希美が行なってきた行為を知ることはない。 希美の病気を彼が知ることもない。 この立場の違いが、二人が決して結ばれなかった原因なんだな、と切なさあふれる。 「俺を選べ…」と初めて汚い行為に出て、賭けに出るも携帯の音に気付かれなかった安藤の不憫さには涙を隠せない。 そもそも何も知らされていなかったのだから、頼られるはずもないのだ。 高校時代に、守られながらも全て希美の行為も意図も病気も把握していた窪田君との対比が辛い。 でもプロポーズとかほんとかっこよかったほんとかっこよかった。 希美の愛も小出恵介の愛も、実は対象者が望んでいたものではなかったっていうのが更に肝。 愛とは自己満足で一方的なものなのだ。 それを汲み取って「一緒にいよう」と返したドラマオリジナル窪田ハッピーエンドも心が救われてなおよし。 PR |
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