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本、映画をつづる日記
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SF要素を掛け合わせたラブストーリーだった。
現実的シーンと前記シーンとは矛盾を孕む非現実的シーンを交互に進めていく構成となっており、二つの差に違和感を感じながら、親友の恋人への横恋慕と積極さにハラハラしながら先が気になる展開でどんどん読み進めてしまった。
東野圭吾らしく専門的な科学知識をふんだんに取り入れているが、記憶や感情などの題材を使い、身近な範囲内で説明してくれていた為頭に入りやすい。
この話は記憶の改編が一貫したキーとなっているが、隆史を揺らがせた最たる原因は恋愛要素として示されている。
隆文は、自分の夢を絶ち、家族とも言える親友を裏切った。
そしてその結果、罪を消すために自己のベースである記憶を消した。
智彦も自分の夢を諦めた。
恋愛の終わりを覚悟し、自分の罪を自覚し、償いとして自己を犠牲にした。
そして親友と彼女の幸せを願った。
彼は眠りにつくことにはなったし環境も変わってしまったが、彼自身は何も変わっていない。
これを隆史は「強い人」と表現した。
この行動は持たざる者の欲望と、既に手にしている者の立場の違いによる願いの強さもあったのかもしれない。
渇望は理性を無くすが、その分強い力を発揮する。
そして彼は恋愛を一度手にしたが全てを失った。
智彦は喪失感を味わいはしたが、彼には自己犠牲による多少の達成感もあっただろう。
これは綺麗事を言ってるエンドかもしれない。
それでも幸せの選択って何かを得ることに限らないということを示しているのかなと感じた。
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