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本、映画をつづる日記
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藤原竜也・小出恵介・貫地谷しほり・香里奈・林遣都・(中村ゆり)
原作吉田修一・監督行定勲

パケに書いてあったあおり見てひたすらにダークでシリアスな雰囲気かと思ったら
わりと雰囲気コミカル
だけどラストの演出は恐怖を感じさせるダークな仕上がり
ネット見てると原作既読派には賛否両論らしいけど、私は好き
全体の雰囲気がわりとコミカルなのもテーマを考慮した演出だと思ってる
5人のやり取りも普通に面白いしね
意味がなかったとしても楽しめたと思う

この作品のテーマは自分の世界・コミュニティを守るために行っている現代的な行動・感覚を
切り取って、その表裏にスポットを当てて描いたものだと思う
「同じ部屋」に共同生活している5人がいる。
誰かとの関係があれば新しい仲間が入ってくるのは比較的容易。
しかしその居心地のいい空間を守るためには、自分の中の深い問題を持ちこまない
・KYな行動をしないという暗黙のルールがある
4人はそれを当たり前のように行っていたし、それに関する不満も抱いていなかった
だけど藤原竜也は唯一感情を持ちこんで、だから4人から冷たい表情を浴びせられたのかなとか
それでも各々好奇心はそれぞれあって、
例えば小出が電話で「友人が死んだ」という内容を話していた時、皆質問を投げかけている
それに対して小出は軽くすませている。いつもの自分のキャラ通りに
サトルもメリーゴーランドで香里奈に「子供時代の質問」をしている
でも肝心のところで寝ているふりをした
他人の深いところに入りこんでいるという共有の感覚を持つことを拒否したのだと感じた
「うわべだけの付き合いじゃないとやってられないもんね」 距離感がほんとに曖昧というか
普通に間接で飲み物飲んだり、嬉しいと抱きしめたりと簡単に密着したり、肩にもたれかかって寝てたり
でも心の奥底は言わない。共有し合わない。人を選ぶ。
そして知りたい事はこっそり知ろうとする。
隣人に対する調査も、同居人のそういうところを表しているんだと思う
「隣の部屋で売春行為が行われいてると思うと気持ち悪くて夜も寝られない」
自分の生活に支障をきたすから通報して止めさせようとした
それなりの倫理観を持っているし、
見ず知らずの人間を家にあげたことに対する防衛反応も持っている
でも「あの部屋」での空間は居心地がよく、藤原の通り魔事件を表にだすことは
その空間を壊すことにつながるから見てみないふりをする
表面上は穏やかに見えても、人間損得の感情で動いている
「現代の闇」をメインとしてるだけあって、現代らしさとリンクしていると考えると色々見えてくる
テーマはなんだかんだやっぱりよくわからないのかも
考えてるうちにあれかもしれない。これかもしれないってなってくる
「距離感」「コミュニティ」「現代人の保守的なところ」
ただまあ観た人の人間関係観に影響を与える作品ではあると思う

・藤原が麻酔がききにくい体質である、という点は
痛みを感じやすいことを表してるのかなーとか考えたり
だから日常の色んなストレスを自分の中で処理し辛くて通り魔という一番過激な方法に出たんじゃないかとか
他で紛らわすことができない
占い師が言っていた、
「世界に対して変化を求めていますね?
でも、あなたがこの世界を抜け出したとしても、
そこは一回り大きな、やはりこの世界でしかありません。
世界とあなたとの戦いは、世界の方が強いのです」
この言葉と通り魔行為が関わっているって線より、これは単純に藤原の考え方とか概念を
表しているという捉え方ができた
世界に対して変化を求めていたのは彼なのに、実際は周りが変化していって世界を抜けていく
そこに焦燥感を感じたのかもしれない
またその変化に対して違和感を感じたのかもしれない
これも現代を表していると思った
現代はどんどん周りが変化していって、自分も変化をしなきゃいけない気分になって
でも現状を維持していたい自分もいて。みたいなジレンマ
最後の事件が恐らく一番激しく描かれていたのは、変化を求めている気持ちより
置いていかれる焦燥感の方がダメージが大きかったという事を表しているんじゃないかと

最後のサトルの言葉や家に戻った後の藤原の壊れ方はジレンマや感情の高ぶりだと捉えているんだけど
そんな単純なものでもないのかなあ
自分自身がああいう風になるのって色んな出来事が重なって、色んな感情が溜まって
感情の処理が追いつかないって時だから、そういう風に考えてしまうんだけども
退屈による変化を求める気持ち。実際に変わっていこうとしてる環境
取り残されたような焦り
自分の闇を隠せていると信じていたのにバレていた恥ずかしさ
自分はどう見られているのかという同居人に対する疑い
まだ守られている「あの部屋」への安心感
自分がいつもと違う様子を見せているのにそれを無視して話を進めることへの寂しさ

ただ原作はもう少し藤原の感情が狂気的に書かれているっぽいので、恐らくまた違った印象を
持つと思う

自分の問題は自分で処理すべき、という現代的な概念を持っている私は冷たい人間なのかなんなのか
・ちなみに占い師の言う「世界」はコミュニティだと思う 「あの部屋」も同じく
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