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本、映画をつづる日記
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スクラップアンドビルド 羽田圭介 日常を祖父を通した「老人」と関連付けた視点で見る話。 バラエティで見る羽田のキャラクターからは想像の出来ない文体、思想。 高齢化まっしぐらの現代日本に即した社会派小説。 手厚い介護は老人の体を衰えさせ脳をも衰退させる、テレビは視力の悪い老人にとって映像も内容も追えないため適していない、など多くの若者が見誤っているであろう現実を学ばせてくれる。 「世間の優しさ」に隠された真実を露呈し、大胆な方法で祖父を助けようとする主人公。 就職活動が長引いているニートだが、自活能力も精神力も想像力も備わっているバランス感覚の良い心優しい青年。 そんな青年ですら血の繋がった祖父に対する苛立ちを感じる事が多々あるという介護の厳しさも描いている。 健常者が想像も出来ない気弱さと、思い込みの強さが生み出す不可能と、対象によっては強く出るずる賢さと。 祖父の虚弱を意識する度に、自らの身体を鍛え「ああはなるまい」とする青年の対比もまた、必要悪であり若者と高齢者が共存する道なのだと作者は述べている気がする。 リアルな目を背けたくなるテーマを取り扱いながらも、読みやすく読後感の軽い小説でした。
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