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本、映画をつづる日記
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監督:中島哲也
アカデミー賞4冠納得の映画だった。
描写がとても綺麗。
内容はひたすら重くて暗く、いじめは生々しく、憎しみが全てを支配している。
なのに見入ってしまう。
原作を読んでいたからこそ美しい表現方法に驚愕してしまう。
話を知っているのにのめり込んでしまった。

一章は「森口の告白」。
松たかこがただひたすら生徒に話をしているシーン。
内容に衝撃はあれど、映像にしたら単調なものになりそうなところなのに、松たかこの動き・音・それに段々同調せざるをえない生徒達を見せられ、こちらも入りこんでしまう。
中学生を原作より更に馬鹿に描いたことでよりリアルになっていて、見知らぬ人間のいじめのシーンを加えることで「子供の残酷さ」分をプラスし、森口の残酷さに拮抗させた。
そこへ「命は軽いのか重いのか」という生徒の問い掛け。
「軽いでーす」と言い放った彼は愛を得る為に殺人を犯した。
重い命を失った教師は復讐を図り、彼に最愛の人を殺させた。
大人は子供を守らなければならない。
でも子供はとても愚かで視野が狭く、他人なんてどうでもいいと考えている。
同じ事をして分からせた大人は正解だったのか間違いだったのかという問題提起がより強く現れていたと思う
中島哲也恐ろしい。

でも原作を超えた!とかどこかで言われているけど、原作ありきの映画なわけで。
話の骨格は原作通り。
ので内容も好きな私はどっちかの方がいい!って言うのはないなぁ。
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米澤穂信/著
SFミステリー。
中途半端にSFって嫌いなんだけど、
並行世界に飛んじゃうこの話は入り込めた。
サキというキャラの明るさ、魅力のおかげと結局はリアルでケリを付けてくれるんじゃないかという期待から笑
後者の方は結果、そんな事は無かったわけで、私はガッカリするわけでした。
ミステリーを名乗るならオチはファンタジーに持って行ってほしくなかった。
グリーンアイゲノムって名前が付いていたって様は霊だもの。
でも考察はしがいがある話。
そしてバッドエンドな話でもあった。
主人公も生い立ちも暗いけど、サキが明るいし世話焼き体質だしで比較的ライトな印象だったのに、いきなり…
いや、主人公の感情に沿っていったらそれはいきなりな事ではないのかもしれないけども。
ただ身近にいるだけだったら親しみの持てる対象だけど、自分の代わりとして存在して自分より頭も良くてタフで積極的で行動力があって、なにより全ての結果をイイモノへ変化させている。
そんな状況に嫉妬を抱きつつも、そんな感情が自分にあったんだと驚き、後悔を抱いてる自分を自覚し、それを糧に現実世界で生きていく展開になると思ったんだよ。
ポジティブすぎたわー
まぁ実際の彼には心の拠り所が全く無かったのが最大の敗因なんだろう。
本当にノゾミだけだったのに、彼女はただ依存していただけで、彼は自分を愛していただけで。
「受け入れる」という術を持っていたからこそ彼は環境をやり過ごせていた。
でもそれは自分自身や行動も無意識に含めて受け入れていて、自分の内に目を向けてくることは無かったんじゃないか。
それをあの世界で大量に一気に否定されて、羨望と絶望を味わったということなのかなと感じた。
思春期に味わう感情に等しく、それゆえ青春小説と呼ばれてるのかなと。
グリーンアイゲノムのオチが気に食わないのでそのへんを深く考察しようとは思わないけど、彼の結末を考える為にはもう一回読んだほうがいいかな。
まぁでも面白かった!と思う!
読後感も読中感も胸くそ悪い話だった…
とにかく暗い…そして登場人物歪んでいる。
なにより私の嫌だと思わせたのは連続動物殺害の話だけど、母親の息子への態度もムカムカした。
ロジックも小学4年生のくせにしっかりしてたし、トリックも内面を題材にしてるとこは好きなんだけど、それを上回る嫌悪感。
人の嗜虐心が剥き出しになってるから気持ち悪い。
それはもしかしたらリアルなのかもしれないけど、心を打たれるような書き方ではなく引いてしまうような強さだから後味が悪い。
どれも性癖がエスカレートしてその歪みが生まれる。
その怖さは日常の延長線にあるということなのだろう。

この作者がホラー×ミステリーでデビューしたか賞取ったか、って聞いてすごく納得したもん。
向日葵〜もホラーに含めてしまっていい気がする。

タイトルの意味は、向日葵=S君の事件で
その事件は自分の中でケリをつけて消してしまったから
事件を思い起こす夏はもう来ないってことなのかと思った。
短編集はやっぱ好きになれないなぁ
わりと有名なものだった気がするんだけど。
短いのに江國香織の重さが一つ一つに篭ってる上に、それが多数入ってるので疲れる…
量あり過ぎて内容覚えてらんないし。
江國香織の描写で好きな、日常の何気ない動作とかおしゃれな感じとかもほとんどなくて残念。
ただ久々に江國香織を読んで思ったのは、登場人物の行動や心理が少しだけ推察できるようになったかなぁということ。
進歩進歩(・ε・)
怖い小説だった。
内容というより状況が。
登場人物はたった二人。
しかも元恋人、という微妙な距離感。
その二人も強烈に個性が強いというわけではなく、話は少年の一人称で進んで行くわけで。
その二人で山奥の電気も備わってない不可解な家を探る。
読んでてマリアとかクロックタワーとか思い出してしまった。
なんていうか心細いんだよね、読んでて。
特にギャグがない微妙な関係の男女二人が見知らぬ家で見知らぬ家族の重い過去を探っているから。
でもこの心細さというか孤独感は、自分探しという目的においては正しい感覚だと思う。
基本は一人で行うものだもの。
同行していた彼もルーツを探す上で協力者にはなったけど、最終的にさやかの心は負担してくれていない。
二人は似ているけれど経験は違うから共有できない。
過去を知ったさやかは結局離婚して、子供を譲って一人で消えてしまう。
人は孤独なんだと徹底的に主張してるなー。
それは真実だと思うけれど。
それでもさやかの最後はいい形で終わったんじゃないかと思う。
久美だった自分を受け入れたから離婚して子供を手放した。
ルーツを知って今後も虐待は続けるだろうと悟ったから。
その上で倉橋さやかという名を名乗る。
自分の過去を全て受け入れた結果じゃなかろうか。
久美は死んでしまったということも含めて。

東原圭吾ってガリレオで敬遠していたけど、それ以外のものはあんまり特徴がないのかも?
読みやすいとも言えるけど。

あと過去推理するっていうのは楽しかった。
フェアに材料を置いてくれていた気がする。

レビューで言われていた「伏線がたくさんちりばめられていた」
っていうのがあんまりしっくり来なかったけど。
読みが足らないのか、私の中で伏線の範囲が狭いのか。


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