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本、映画をつづる日記
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監督:ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール)
製作:1997年、オーストリア映画
アンナ:スザンヌ・ロタール(愛を読む人)
ゲオルグ:ウルリッヒ・ミューエ(善き人のためのソナタ)
ハリウッド製スリラー映画のパロディ。
家族がオペラ曲をかけながら、のどかな道をドライブする最中、突然ヘビメタルがかかる激しいオープニング。
この唐突さですら後の伏線として扱われているような、不安を沸き起こす。
そして大学生が家にやってきたわけだが、見た目がまず不快。
白シャツ白短パン白い手袋。
卵を借りるシーンも、図々しさやパーソナルスペースへの軽々しい侵入、人の親切を平気で仇にする挙動、実に不快。
この観客のストレスは観ていくにつれ理不尽に与え続けられる暴力によってどんどん蓄積されていき、決して解消されることはない。
数々の救いをちらつかせては全て断ち切っていく、観客にカタルシスを与える要素を一切排除した、ただ暴力という素材を残酷にそしてリアルに描いた映画なのだ。
暴力の直接的なシーンを写しはしない、メタ要素を取り入れ感情移入を避ける、おかげでテキサスチェーンソーよりはマシな気持ちで観れた気はする。
印象的だったのは、子供が殺された後のカット。
ほぼ動きがなく、呆然としているシーンが5分ほど続く。
暴力の被害の大きさと、それについて改めて認識させる時間なのだと感じた。
なんの意味もなくただ奪うものなのだと。
構成は整っており、メッセージ性、インパクトはシンプルで強い。
しかし素晴らしいとは言いたくない映画でした。
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